logo
Business Hours: 平日9:30~17:30

障碍者相談支援事業の委託料の課税関係

障碍者相談支援事業の委託料の課税関係

2023年11月13日

障害者相談支援事業とは、障害者総合支援法において自治体が行うものとされる事業で、障害者等が自立した日常生活や社会生活等を営むための支援や援助等を業務とするものです。


社会福祉法第2条に規定する社会福祉事業として行われる資産の譲渡等について、消費税法上、消費税は非課税とされています(消法6 ①、別表2七ロ)。
例えば、「一般相談支援事業」や「特定相談支援事業」が社会福祉法に規定のものとして非課税となります。
一方、「障害者相談支援事業」は社会福祉法に規定されるものではないことから課税対象となります。

しかし、一部の自治体が、障害者相談支援事業を社会福祉法に該当するものと誤認し、事業者との委託契約における委託料を「非課税」と誤ったまま取り扱っていたケースがあったようです。

こうした事態を踏まえ、厚労省は10月4日付の事務連絡(「障害者相談支援事業等に係る社会福祉法上の取扱い等について」)で、同事業などの社会福祉事業に当たらないもの(課税の対象となるもの)等を整理し、自治体に注意喚起しました。
国税庁も質疑応答事例(消費税/非課税(社会福祉事業))において「障害者相談支援事業を受託した場合の消費税の取扱い」を新設し、課税関係の周知を行っています。

過年度において、当該委託料を「課税売上げ」ではなく「非課税売上げ」と誤認したまま過年度の各課税期間の計算を行っていた場合、課税標準額に対する消費税額や課税売上割合が変わってくることとなります。
また、個別対応方式による仕入税額控除の計算に当たり、同事業に係る課税仕入れを非課税売上げに対応するものとしていた場合、控除対象仕入税額が本来より過少であった可能性も考えられます。

このような場合、修正申告又は更正の請求といった対応を要する場合がある点にご留意ください。